活動報告
安住太伸レポート(本編)
平成12年盛夏号(page.2)
《第一回定例会 予算審査分科会》
商工業行政について
~観光施策に関して
● ここ数年、台湾では大変な「北海道旅行ブーム」。
一番新しい統計データによると、平成十年度の訪日外国人客数第一位が台湾で、二位の韓国、三位の米国を大きく引き離して約八十四万三千人。その内、一割を超える約九万四千人が来道。にもかかわらず、平成十年度の本市来訪客数は約四千三百人。
台湾からの観光客で活況を呈する小樽や札幌、洞爺など、道内他地域に比べ、割合的にかなり低い点、否めない。
● 一方、台湾の旅行雑誌やテレビ番組では、冬の旭山動物園や冬まつり、あるいは旭川ラーメンが大きく取り上げられるなど、本市の「観光資源」も、大変な関心を呼んでいる模様。
当分の間、冷めそうにない台湾の「北海道旅行ブーム」を考えた時、案内標識の整備等の基本的な受け入れ体制の充実はもちろん、各種の広報活動をはじめ、「台湾からのお客様をいかにして呼び込むか」の積極的かつ、具体的方策が求められる。
● また先般、観光施策の実施にあたっても、その政策効果を客観的に判断するための統計データの整備や、それらデータの定量的な分析などが重要である旨、提言をさせて頂いたところ。
例えば、これまで多額の投資を行ってきた結果、外国(台湾)のお客様にも関心を持って頂ける施設となった旭山動物園への投資効果の判断などは、大変な勢 いで増加しつつある台湾からのお客様を、動物園を核に、どの程度本市に呼び込めているか、という視点で捉え直すことで、より多面的かつ、客観的に、正しく 判断されるものと考える。
● さらにまた、低迷する利用率に頭を悩ませている旭川空港。
今後、台湾からの来旭者をうまく増やしていくことができれば、例えば、台湾とのチャーター便就航によって、落ち込みの激しいビジネス利用や国内観光利用を補うに足るだけの利用客数の確保を期待できる。
出入国審査、税関など(CIQ)の開設コストに関する問題は、見込まれるコストと期待される効果の中で、やはり同じ様に客観的にその是非を判断し、「いける」となれば、国をCIQ開設に向けて動かしていくべき。
~「食品情報発信事業」に関して
● 本市製造業の中で、事業所数、従業者数、製造品出荷額のいずれにおいても第一位の食品加工業。
食品加工業界の成長力如何が、本市経済全体に少なからぬ影響を及ぼす産業構造となっている。
● そこで、景気対策も考慮した重点的施策として、業界内部の異業種、例えば、酒と洋菓子などの間での「業界内異業種間交流」を促進し、地域の農産物利用を前 提に、「何を使って何が作れるのか、どういった味、食感、また色合い、香りが消費者に受けるのか」など、それぞれが持つ技術やノウハウ、アイディアや顧客 ニーズを統合することで、「新旭川ブランド」の商品開発を行い、また販路拡大に結び付け、食品加工業と農業の新しい発展を期すべき。
● ひいては、その様な業界内部の連携の中で、食の新しい「旭川ブランド」が、豊かな文化の創出や、それを求めて訪れる観光客の増加という、さらに新しいプラスの効果を引き出せる様、そんな視点で、当事業を大きく展開して頂きたい。
農業行政について
~農協合併に関して
● 旭川市農協と永山農協の合併に対し市として総額で一億五千万円の助成支援を行うにあたり、今後の経営改善の進み具合を確認し、さらには一定の指導を行うなど、助成がより生きる様、対応していくべき。
~「農業付加価値創出事業」に関して
● 本市は、農業者、とりわけ農村女性による農産加工が非常に活発であり、実にユニークな、あるいは高度な食品加工が色々と行われてきている。
しかも、注目すべきは、当初、自家用の貯蔵食品づくりがメインであったその取り組みが、種々のイベントへの試験的な出品などを通じて、今では、「販売」 することを視野に入れた取り組みに変化しつつあり、さらには、それが農産品そのものの品質向上に向けた意欲へとつながりつつある、という点である。
● そこで、以前から指摘させて頂いている「クリーン農業事業」との連携、さらには、今回、取り上げた商工部所管の「食品情報発信事業」との連携を通じて、文字通り、今の時代に対応した新しい「付加価値創出型農業」の総合的な展開を企図して頂きたい。
そのことが取りも直さず、農業者の新たな所得機会の確保に伴う農業経営の足腰の強化や生産振興につながり、ひいては地域の雇用創出効果も含めた本市経済のより一層の振興・発展につながるものと考えている。
といった趣旨で、いくつかの質問、提言をさせて頂きました。
《第二回定例会一般質問》「地方分権時代における協働型社会について」要旨
● 「地方分権の時代」とは、市民・住民の皆様方、お一人お一人が、自分達自身のものである「まち」を、国、道、市とのパートナーシップに基づきながらも、自 らの手によって自己責任の原則の下に、自分達自身と子供達の現在、そして未来のために、「自分達のまちらしく」創り上げていく、そんな時代に他ならない。
● その「分権時代」の中で、
(1)「協働(きょうどう)型社会」を築き上げていく上での大前提となる、市民・住民の皆様の、市政参加への道をどの様に確保するのか、つまり、「協働」に向けた、
「市民参加の基本的条件」
をどの様に考えるのか。
(2)「協働」にあたり、行政と市民・住民の皆様とが、今後、それぞれにどの様な役割を果たしていけば良いのか、すなわち、
「官と民の役割分担」
として論じられてきた問題を、今後はどの様に考えていくべきか。
(3)さらに今後、その協働型社会における行政と市民それぞれの役割分担を考えていく中で、「官」とも「民」とも分類しきれない新しい分野の活動を担う 主体としてのNPO(非営利法人)などの団体の意義を、どの様に考え、共に協働型社会を築いていくのか。
別の言い方をすると、これまでの、いわゆる「官」「民」という概念では括りきれない「新しい分野」での活動を、仮に広く「市民活動」とするならば、そうした広い意味での「市民活動」を通じて、民間団体でありながら、公的な役割を担う、
「市民活動としてのNPO」
などの団体の意義を、どの様に考え、共に協働型社会を築いていくのか。
● (1)の「市民参加の基本的条件」としては、第一に、「情報公開」に関して。
単に門戸を開いて、「ご覧になりたい方はどうぞ」という様な「公開」ではなく、より積極的な情報の「提供」を実現しなければならない。
その提供の結果、個人の生活が脅かされたり、あるいは、プライベートなものが侵害されたりしない範囲で、行政が持つ様々な情報を、速やかに、広く提供していくことで、「協働」に向けた情報の共有を実現していかなければならない。
● また「提供」にあたっては、情報通信技術の発展を踏まえた様々な手法を研究することとあわせて、「市役所は本市最大のサービス事業会社である」との考えの 下に、常に、受け手である市民・住民の皆様に、よりご満足頂ける様な提供のあり方を考えていくべき。
● さらに、「協働に向けた市民参加の基本的条件としての情報の提供」ということを、例えば、条例などによって制度的に保障していく必要あり。
● 次に(1)の「市民参加の基本的条件」の第二として、そうした積極的な情報提供を進めると同時に、「まちづくり」への主体的な参加意欲を高め、さらには、参加活動そのものを引き出していく「仕組みづくり」が、今後、一層、求められる。
● (2)の「官と民の役割分担」としては、先例に従って平均的な判断を行う傾向が強く、なおかつ、コスト概念に乏しい「官」の特性や、一方で、企業の営利性 や個々人の私事、という「民」の限界が、時代の変化の中でどちらの概念でも括りきれない「新しい分野」を要請。
● 民間でありながら、公的な役割を果たすこの「新しい分野」を「新しい公共」の意味での「公」として捉え、この「公」の分野の活動や、その担い手をどの様に 考えていくのかが、「地方分権時代における協働型社会」を築いていく上で大切な、新たなる「官と民の役割分担」の視点。
● (3)の「市民活動としてのNPO」については、まさしく「公」の担い手であるNPOなどの市民・住民活動を、自主・自立的な運営を尊重した上で、支援・育成するメニューをより一層広げていくべき。
● さらにまた、協働型の社会を築くための、人と人、その心と心の交流を引き出す効果を持ち、また、圏域の経済を強化する機能が本質的に備わっているとも報告されている「地域通貨制度」を、市として独自に調査・研究すべき、と提言。
以上、ご報告申し上げます。
皆様方のご意見、ご感想をお待ちいたしております。
ありがとうございました。
(なお、要旨を端的にお伝えするため、部分的に議会における実際の表現とは異なる言い回しを用いている箇所があること、ご了承ください)
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