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平成16年第1回定例会・第2回臨時会(代表質問) page.2

 言うなれば産業連関の源流に位置し、また、よく本市の基幹産業として紹介されるのが農業です。
 しかし、地理的、歴史的に形成されてきたその基幹産業としての地位も、長期にわたり低迷を続ける農畜産物の価格や農家の高齢化、担い手の減少などにより、かなり苦境に立たされているのが実態です。
 では、農業がもはや衰退産業であり、選択と集中の考え方のもとでは振興に値しない分野かというと、そうではありません。
むしろ、中長期的には間違いなく、成長産業かつ、戦略的な最重要産業の一つであり、今後、その育成・支援が急務となる分野だと考えられます。
 それは、農業の持ついわゆる環境保全などの多面的な効用もさることながら、最大のポイントは、世界的な食糧需給逼迫の現実味です。
 この点、大変多くの研究報告が行われており、この場での詳しい論評は避けたいと思いますが、共通しているのは、発展途上国を中心とした人口爆発に伴う食糧需要、とりわけ飼料穀物需要の爆発的増加に対し、供給側の農業生産が物理的に追いつかなくなるという事態の想定です。
 2020年には、ちょうど10年前の93年時点における世界の総穀物貿易量2.3億トンのほぼ1.4倍に相当する3.2億トンもの膨大な穀物不足がアジアを中心に発生し、世界全体では実に4.17億トンほどの巨大な不足に達するとの不気味な予測すら存在します。
 ちなみに、この時点での我が国の穀物自給率は、過去の農業政策が仮に継続されたとする前提において、93年の28%から21%にまで低下すると予測されています。
 翻って、北海道の食料自給率のレベルは、熱供給量ベースにおける平成11年度の比較でいうと、国内全体が40%であるのに対し、北海道は全国都道府県別で第1位の178%。
この数字は、農産物輸出大国であるフランスの136%やアメリカの127%を大幅に上回るものです。
 その北海道の中でも旭川は、例えば水稲の作付面積で全道第1位であるなど、本市の米を初めとする農業生産高は極めて高い位置づけにあるのです。
 つまり、これは絵そらごとでも何でもなく、北海道が、そしてその北海道農業の中核を担う旭川が、食糧安全保障上も最重要の地域となる可能性の高さを示す事実だと私はとらえているのです。
 本市農業の比較優位性はそれだけではありません。地理的・気候的条件から、他地域と比較してもともと低いと言われる農薬使用量。
平成10年時点での調査結果からは、10アール当たりの農薬投入量で2.53キログラムと、全国平均7.74キログラムの実に3分の1以下との報告がなされています。
 ちなみにこの値は、2番目に低かった沖縄県の5.52キログラムと比較しても2分の1以下です。
 また、その生育に適した気候が生み出す、特に葉物や根菜類などの農産物の質の高さは、我々の多くが体験的にそのことを知っています。
 一方、牛肉偽装など、食品の安全性と信頼性が大きく問われる事件の続発。さらに、アレルギーの増加や健康志向の高まりも、北海道の安全・安心な食に対する関心を大いに高めています。
 道外の方があこがれる北海道ブランドにより磨きをかけて、旭川ブランドを確立する戦略で、とりわけ強みを持っている品目を中心に、まずは1次産品の生産拠点としての地位を確立することが、21世紀における本市産業ビジョンの一つのかなめとなると理解しております。
 その意味で、「旭川農業をめぐる危機的状況にいかに対応するか」と題し、状況と課題の分析に始まり、目指すべき効果として農政なりのビジョンを掲げ、そのビジョン実現のために求められる対策を導き出し、具体的なステップを踏んでの市としての事業展開や、さらに外部を巻き込んだビジョン実現に向けた体制イメージの確立など、現在の農政の基本的な方向性と手法は高く評価できるものと思います。
 問題はその取り組みを、単に1次産業分野での農政の範囲にとどめない、より高い次元での取り組みへと進化させることができるかどうかです。
 つまり、地域経営の視点に基づく総合政策化が、ここでまさしく問われてくるのであります。
この場合、現在の取り組みを、食を切り口とした視点で総合的に展開することが求められるでしょう。
 よく引き合いに出される例を挙げて考えてみます。
 北海道で水揚げされたたらこが九州で明太子に加工され、大きな利益を生んでいます。1次産品を2次、あるいは1.5次加工することで付加価値をつけ、それが、形成されてきたブランドイメージと相まって、さらなる利益を生む仕掛けです。
そして、ここがとても大事な部分なのですが、食品加工業とのよりダイレクトな連携は、産業連関的にもとても重要な意味を持っております。
 話が専門的になり過ぎますので、かみ砕いて要点だけを申し上げれば、本市の食品加工業は、地元からの原材料の購入率が他産業と比べても高く、加えて、さらに流通などの川下に位置する他産業に対しても、大きな経済波及効果を持っているからです。少なくとも平成7年時点での産業連関表は、そうしたことを物語っています。
 その一方、実態面として、食品加工分野における道内外の民間取り組み事例の中には、本市が学ぶべきものが実に多いと思います。
 例えば、酪農や畜産による1次産品の生産から、乳製品や食肉、菓子などへの加工食品生産の2次産業分野へ。
さらには、そうした食材を用いたレストランや宿泊施設の経営という3次産業の分野まで、産業連関の川上から川下に向けた自社・系列の連続性の中で、ブランド化、高付加価値化を実現する取り組み事例が多数見られます。
 そして、その際の視点として重要なことは、脱工業化とでもいいましょうか、一つには、食品加工業を工業という枠組みから離れて、あくまでも人が口にする食というとらえ方でのアプローチをしているという、ほぼ共通した特徴です。
 食に対する志向の変化を受けて、健康や環境というキーワードをもとに、そうしたブランド化、高付加価値化を実現しているという点だと思います。
 本市農業、あるいは製造業においても決して割合の小さくない畜産とその加工分野を、さらに大きく育てるための重要な視点がそこにあると私は思います。
 既に本市農政の中にも、例えばアグリビジネスや、新たな農村ビジネスといった発想が出てきていることは、よく承知していますが、それらはどちらかというと、後述のグリーン・ツーリズムを強く意識したもののようであります。
 そこで、まず、ただいま申し上げてきたことについて、地域経営の視点に基づく総合政策化という見地から、総論的に、見解と今後の取り組みについてお伺いをしたいというふうに思います。
 1次産品の生産と加工の現場が、流通、商業へと連続していくことの意味は、実はほかにも大きな効果を持っています。市場、マーケットに対する感度を上げるという効果です。
産直や日曜市といった取り組みを通して、消費者のニーズにこたえ、さらには、そのウオンツやシーズを先取りする。
売れることの喜びが自信につながり、売れるものを知ることが、さらなる営農や製造工夫の意欲を引き出していく。
 北海道新聞の2月29日版「さんでー対談」の中で、数々の先進的な取り組みを進めている農業生産法人、有限会社西神楽夢民村の島社長さんは次のように語っています。

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